『バイオマス』と『バイオマスマーク』について
『バイオマス』と『バイオマスマーク』について
最近、「SDGs(持続可能な開発目標)」や「脱炭素社会」といったテーマに関連して、バイオマス発電やバイオマス材料など、「バイオマス」というキーワードをよく耳にするようになりました。また、パッケージに右のような「バイオマスマーク」が印刷された商品も、よく見かけるようになりました。菊水テープの商品の中でも、クラフトテープの『キクラフトBKL』と『キクラフト100』が、バイオマスマーク認定商品となっております。
ですが、「そもそもバイオマスっていったい何?」「バイオマスマーク認定商品は、他の商品と何が違うの?」と思われている方もいらっしゃると思います。そこで今回は、「バイオマス」と「バイオマスマーク」、そしてバイオマスマーク認定商品である『キクラフトBKL』『キクラフト100』について、詳しくご紹介いたします。
参考:今回の記事は、菊水テープのYouTube動画『【驚愕!バイオマス度75%】キクラフト100のバイオマスマーク取得にまつわる話』を併せてご覧頂きますと、より理解が深まる内容となっております。
・「バイオマス」とは?
・「バイオマス」はなぜ注目されている?
・「バイオマスマーク」について
・キクラフトBKL・キクラフト100の特長
・バイオマス製品の実質CO2排出量削減効果
・まとめ
「バイオマス」とは?
バイオマスとは、「生物由来の持続可能な資源」のことを指します。木材や紙、天然ゴムといった植物から作られる材料は、古くから利用されてきたバイオマスです。近年では、トウモロコシやサトウキビから抽出される成分を化学的に精製・合成して作られた、バイオマスプラスチックの利用が拡大しています。
「バイオマス」はなぜ注目されている?
バイオマスは、以下の2つの特長から、環境問題への対策として注目されている資源です。
1つ目は、バイオマスの定義にもある「持続可能性(サステナビリティ)」です。バイオマスは、その原料となる植物を「人間の手で作り出す(栽培する)」ことが出来る資源です。したがって、木材を利用するために森林を伐採したとしても、その土地に人間が植林を行えば、再び森林を生み出すことが出来ます。このような資源を、「持続可能な資源」と呼びます。一方、石油や石炭といった化石資源は「人間の手で作り出せない」資源です。石油や石炭は、現在の地球に存在する分を人間が全て使い切ってしまえば、二度と利用する事が出来なくなります。このような「持続不可能」な資源は、枯渇性資源と呼ばれます。
※ 資源として利用されるバイオマスは、人間の手によって持続可能な形で管理されている必要があります。
人間が管理していない生物資源(原生林など)はバイオマスに含まれません。
2つ目は、「温室効果ガス排出量の削減効果」です。石油や、石油から作られた製品を燃やすと、地球温暖化の原因となる二酸化炭素CO2が発生します。これは、石油の中に炭素Cが含まれているためです。バイオマスにも石油と同じように炭素Cが含まれており、燃やすとCO2が発生しますが、バイオマスに含まれる炭素Cはもともと原料の植物が光合成で大気中から吸収したCO2に由来します。また、発生したCO2は、新たに栽培される植物の光合成によって再び吸収されます。そのため、植物由来のバイオマスが燃焼しても、大気中に新たに排出されるCO2の量は実質0である、と考えることが出来ます。
「バイオマスマーク」について
バイオマスマークは、一般社団法人 日本有機資源協会が認定する「生物由来の資源(バイオマス)を活用し、品質及び安全性が関連する法規、基準、規格等に適合している環境商品」の目印です。
マーク右下の数字はバイオマス度で、キクラフト100の場合は「テープ重量の75% に、バイオマス(生物由来の材料)が使用されている」ことを示しています。
キクラフトBKL・キクラフト100の特長
冒頭でもご紹介した通り、菊水テープのキクラフトBKL・キクラフト100は、バイオマスマーク認定商品となっております。
しかしながら、ここまで今回の記事をお読み頂いた方の中には「クラフトテープは紙で出来ているのだから、バイオマス(植物由来)なのは当たり前でしょう?」と思われている方もいらっしゃるかも知れません。
そこで、キクラフトBKL・キクラフト100が一般的なクラフトテープと比べてどのような違いがあるのか、ご説明したいと思います。
他社製の一般的なクラフトテープは、ほとんど全ての製品に石油由来の「合成ゴム系粘着剤」が使用されています。それに対して、キクラフトBKLをはじめとした、菊水テープ製のクラフトテープには、植物由来の「天然ゴム系粘着剤」を使用しています。(詳細は、前回の記事『見た目がまったく同じなのに…。クラフトテープにも色々“違い”があるんです!』をご覧ください。)
さらに、キクラフト100は、基材のポリエチレン(=プラスチック)ラミネートを無くす事によって、石油由来の材料の使用量を削減しています。一般的なクラフトテープは、クラフト紙の上にポリエチレンがラミネートされており、さらにその上に*はく離剤*はく離剤…クラフトテープをスムーズに繰り出すために塗布されているコーティング剤が塗布されていますが、キクラフト100は独自に設計した特殊なはく離剤を使用する事によって、クラフト紙に直接はく離剤を塗布しています。
「天然ゴム系粘着剤を使用している」「ポリエチレンラミネートの無いクラフト紙を使用している(キクラフト100)」といった特長から、キクラフトBKLやキクラフト100は、一般的なクラフトテープと比べてバイオマス度の高い製品となっております。具体的には、一般的なクラフトテープのバイオマス度が50~55%程度であるのに対して、キクラフトBKLのバイオマス度は65%、キクラフト100のバイオマス度は75%となっております。
バイオマス製品の実質CO2排出量削減効果
それでは、バイオマス度の高いクラフトテープを使用することで、どれくらい環境への負荷を抑えることが出来るのでしょうか。実際の測定結果を下記に示します。
※ グラフ内のデータは代表的な測定結果に基づく計算値であり、保証値ではありません。
「バイオマス」はなぜ注目されている?の項目でも説明しました通り、バイオマスが燃焼した際のCO2発生量は実質0であると見なすことが出来ます。そのため、キクラフトBKLの燃焼時の実質CO2排出量は、プラスチック製のOPPテープの約1/3、 一般的なクラフトテープの約4/5である事が分かります。キクラフト100に至っては、OPPテープの約1/5、一般的なクラフトテープと比べても約1/2と、燃焼時の実質CO2排出量を大幅に削減する事が出来ます。
まとめ
今回は「バイオマス」と「バイオマスマーク」、およびバイオマスマーク認定商品である『キクラフトBKL』と『キクラフト100』についてご紹介いたしました。
個人・企業に関わらず、環境問題への取り組み、CSR活動の一環として、ぜひ当社のバイオマスマーク認定商品をご活用ください。
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